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【ドローン空撮】必要な機材・費用や理解しておくべき規制を徹底解説

「ドローン空撮で臨場感のある写真や動画を撮影したいけれど、ドローンについての知識がないので企画が進まない」「規制や申請方法がわからない」とお悩みの方はいませんか?

今回は、ドローンの種類や選び方、空撮に必要な機材、ドローン飛行に関する規制について解説します。後半では空撮を成功させるためのテクニックについても触れるので、ドローン空撮を検討中の方、空撮の前知識を押さえておきたい方におすすめです。
 

ドローンとは

人が乗らず、無線で遠隔操縦できる小型無人航空機を「ドローン(Drone)」と呼びます。

マルチコプターやUAV(unmanned aerial vehicle)と呼ばれる無人航空機もドローンです。趣味で飛ばす小型のトイドローンやラジコン機器、農薬散布用ヘリコプターもドローンに含まれます。

また、ドローン撮影とは、ドローン飛行による写真や動画撮影のことです。写真映像の撮影以外にも、ドローンは土地の測量や施設の点検、災害にも活躍しています。
 

ドローンの種類

子どもが遊びで使えるトイドローンから、空撮用のカメラを搭載したドローン、産業用のプロ仕様まで、その種類は実に豊富。ドローンの種類は目的・機能によって大きく3種類に分けられます。

ドローンの種類3つ

  1. トイドローン
  2. カメラ付きドローン
  3. 産業用ドローン

ここからはドローンの種類ごとに特徴や機能について解説します。
 

100g未満でお手頃な「トイドローン」

トイドローンとは、本体重量100g未満の小型ドローンのことで、模型航空機に分類されます。総重量100g以下とコンパクトサイズで価格もお手頃。小さい分、屋内でも使いやすく、初心者だけでなく細かい操作の練習用としても最適です。

100g以上の無人航空機は航空法の対象となり、機体の登録やリモートID機器の搭載が義務化されています。しかし、トイドローンのような模型航空機は100g未満で航空法の対象とならず、これらの登録義務はありません。「トイ(おもちゃ)」ドローンの名を持つだけに、手軽に趣味レベルで楽しめるドローンです。

機体登録は不要ですが、飛行禁止区域で飛行するためには許可が必要です。ルールを守ってドローン飛行を行ってください。
 

高機能カメラで空撮ができる「カメラ付きドローン」

マイクロドローンやトイドローンでもカメラ搭載の無人航空機はありますが、高機能カメラでの空撮を望む方にはカメラ付きドローンがおすすめです。

別名「空撮ドローン」とも呼ばれ、高機能カメラ搭載によるハイクオリティな撮影が期待できます。飛行距離もトイドローン以上で、屋外のより遠い場所からも撮影が可能。

ただし、重量100g以上の機体は航空法の対象となり、機体登録や許可申請が必要です。
 

農業や建設業などで活用される「産業用ドローン」

今後の社会で活躍が期待されているのが産業用ドローンです。現在は農薬散布や測量、建物の点検など、作業を効率化させるだけでなく、人の立ち入りが困難な場所での作業を担っています。

作業の目的によっては防水・防塵機能が必要であるため、価格も高めです。無線操縦だけでなく、自動操縦機能搭載の高機能モデルも販売されています。

2022年12月5日にレベル4が解禁となり、物資輸送や自律飛行でのデータ収集など、今後の文化・産業の発展の鍵となるのが産業用ドローンです。
 

ドローンを使った空撮の魅力

テレビCMやイベント動画、ウェディングムービーでも、ドローンによる空撮動画が多く採用されています。

ドローンを使った空撮の魅力

  • インパクトのある映像
  • 従来よりも撮影コストを抑えられる
  • これまで撮影できなかった場所・角度で撮影できる

この章では、上記のドローン空撮の魅力について詳しく解説します。
 

インパクトのある映像を撮れる

鳥の目線のような上空からの目線や、人間の動きではできない角度からの撮影は、ドローンだからできること。スピードと臨場感を感じる映像作品は、視聴者にとってもインパクト大です。

フェスやスポーツイベントの上空からの写真や、花火が打ち上がる中の映像、ランドマークをぐるりと360度撮影する等、これまで費用・技術面で難しかった構図も撮影できます。
 

従来の空撮よりもコストが安い

ドローン撮影が登場する以前は、「空撮」といえばヘリコプターや小型飛行機を使っての大がかりな撮影でした。ヘリコプターからの撮影は、たとえ数分の撮影であっても数十万単位の費用が発生し、時間も人員も必要です。

しかし、ドローン撮影では手軽で安価(5万円前後)な撮影が可能になりました。ドローン空撮の到来によって、映像制作にかかるコストの大幅カットに貢献しています。
 

空撮の幅が広がる=場所・角度が増える

ヘリコプターや小型飛行機では、低空飛行や狭い場所での空撮は困難です。小型のドローンであれば、有人ヘリコプターが入りにくい危険な場所(火山や花火の中、ビルの隙間、崖、廃墟)にも入り込み、様々な角度で、これまでにない臨場感ある撮影も可能となりました。

また、小回りが利くドローンでは、俯瞰や急旋回、急降下、見上げるアングルも自由自在です。ヘリコプターではできない急接近での空撮もできます。
 

ドローン空撮をするために必要な機材と費用

ドローンを用意すればすぐに空撮ができるわけではありません。安全な飛行と撮影のためには、以下の機材を準備してください。

ドローン撮影に必要な機材

  • ドローン本体
  • 予備バッテリー
  • スマートフォンやタブレット端末
  • 送信機
  • SDカード

ここからは、空撮に欠かせない上記の機材や費用について詳しく解説します。
 

ドローン

空撮に適したドローンは2種類あり、個人向けと産業用です。

ドローン空撮初心者におすすめなのはカメラ付きの個人向けドローン。安い機体であれば1万円台から、本格的なビジネス用・産業用であれば10万円以上となります。

操縦ミスで衝突や落下の恐れもあるため、ファーストドローンは10万円以下の比較的価格の安いものがおすすめです。
 

バッテリー

ドローンは電源を内蔵バッテリーから確保しています。バッテリー容量によって飛行できる時間も差が出るため、ドローン購入を検討する際は内蔵バッテリーの容量を確認してください。

「バッテリー容量がわからない」という場合は、その機種の最大飛行時間の記載を探してください。空撮が目的であれば、最大飛行時間15~30分程度のバッテリーがおすすめです。趣味でただ飛ばして遊ぶだけであれば、5~15分程度のバッテリーでも大丈夫です。

また、撮影が長引いた時のために、交換用の予備バッテリーの購入をおすすめします。予備バッテリーはドローンの機体によって異なり、安価なものは3,000円~、スペックの高い上位機種用であれば3万円~で販売中です。
 

タブレットやスマホ

飛行内容が映るモニターがコントローラーに付属していない場合、タブレットやスマホに接続してモニター代わりとして使用します。

また、自動操縦専用アプリをタブレット端末にインストールし、フライト映像を確認しながら操縦できるモデルも人気。アプリは安全な操縦をサポートするだけでなく、データ転送や撮影をアシストする機種もあるので、初心者も安心です。

タブレットは安いものであれば1万円台、iPadは4万円~で購入できます。
 

送信機

送信機はドローンの操縦に欠かせません。送信機本体のみで操縦できるモデルと、送信機からモバイル端末を介して操縦するモデルがあります。送信機は、ラジコンのコントローラーのように指先でスティックを動かし、上昇・下降・左右の動きを直感的に操作可能です。

送信機のみで操縦できるモデルもありますが、モバイル端末を組み合わせたモデルもあります。送信機からモバイル端末に映像を転送するタイプです。近年は、モバイル端末不要の内蔵ディスプレイ搭載のスマート送信機も登場しました。

ドローンと送信機がセットになっているものもありますが、送信機単体でも購入可能です。ディスプレイ一体型送信機は1~20万円、ディスプレイなしの送信機は3,000円~で販売しています。
 

SDカード

撮影したデータはSDカードに保存されます。SDカード自体は数百円から購入可能ですが、容量や転送スピードによって価格が大きく異なります。同じ容量のSDカードでも、転送速度が速いほど価格も高価です。

SDカードの容量と保存容量の目安(例)

カード容量 静止画※1 動画(フルHD)※2 動画(4K)※3
16GB 2,000枚 40分 30分
32GB 4,000枚 1時間半 1時間
64GB 8,000枚 3時間弱 2時間弱
128GB 16,000枚 50時間 4時間弱

※1:7MB、約1,600万画素で撮影した場合
※2:3840×2160、25fpsで撮影した場合
※3:1920×1080、24fpsで撮影した場合

動画撮影ではSDカード容量がすぐにいっぱいになってしまう可能性もあります。また、予期せぬアクシデントでドローンが墜落し、SDカードが破損する可能性も否定できません。複数枚用意しておくと安心です。
 

空撮に利用するドローンの選び方

いざ空撮用ドローンを購入しようと思っても、種類が豊富すぎてどれがいいのかわからない人もいるはず。ドローン選びは、自分の撮影したいシーンや希望する撮影スタイルに合わせて、以下のポイントで考えてみましょう。

ドローンの選び方のポイント

  • 飛行可能時間
  • 高画質なものを撮影したいか
  • 機体のサイズ
  • 追加機能

ここからは、上記のドローンの選び方について詳しく解説します。
 

飛行可能時間を確認する

ドローンの飛行可能時間は機種・バッテリーごとに異なります。飛行時間は10~30分のモデルが平均的ですが、1時間近い長時間飛行ができる機種も販売中です。どのようなシーンで撮影したいかに応じて選びましょう。

5~10分程度の飛行で十分であれば、コンパクトサイズのものを。30分前後の飛行が必要であれば、大型サイズが適しています。
 

高画質な撮影ができるものを選ぶ

ドローンは、高画質を求めるほど、機種の価格も映像のクオリティも大きく差が出ます。空撮のためであれば、フルHD(1,920×1,080)に対応した機種を選びましょう。さらにその上を行く4K対応のドローンもあります。

また、高画質のモデルを選ぶほど、保存するSDカードも容量の大きなものが必要です。フルHD動画(1920×1080、24fps)で撮影する場合は、16GBのSDカードに保存できるのは40分程度。撮影時間も加味して選びましょう。
 

機体のサイズをチェックする

大型サイズ=いい映像が撮れる、というわけではありません。5cm以下のマイクロドローンや、手に載るサイズのミニドローンなどの小型ドローンは、屋内や狭い場所での撮影で使われており、企業・施設のプロモーション動画等で活躍しています。

細かい動きまで捉えるハイクオリティな映像の場合は、高性能カメラ搭載の大型のドローンがおすすめです。撮影したいシーンに応じて、サイズを選んでください。
 

追加機能で選ぶ

ドローン初心者でもプロ仕様の撮影ができるのが追加機能。アプリのインストールによって機能を追加できるモデルも増えています。

追加機能(例)

  • 自動追尾機能
  • ブレずに正確に撮影
  • 障害物検知・落下防止
  • GPS機能
  • 自動帰還機能
  • ヘッドレスモード

ここからは、初心者におすすめの追加機能について解説します。
 

被写体に合わせて自動で飛行できる「自動追尾機能」

ランニングや自転車の動きに並走しての飛行操縦は、初心者には意外に難しいものです。自動追尾機能であれば、設定した被写体のスピードに合わせて追尾してくれます。

臨場感ある動画を撮影したいのであれば、自動追尾機能はおすすめです。
 

正確な撮影ができる「FPV機能」

FPV=First Person View(一人称視点)とは、ドローンから見える映像がそのまま見えること。送信機のディスプレイやタブレット画面で、ドローン視点の映像を確認しながら撮影できます。

CMや映像作品で見かける迫力あるアクロバティックな飛行映像も、FPV機能を活用したものです。
 

安全のために必要な「障害物検知機能・落下防止機能」

ドローン初心者でなくてもよくあるのが障害物との接触や落下。操縦と撮影に気を取られて、障害物にぶつかってしまうケースは少なくありません。障害物検知機能・落下防止機能は、高価なドローンが墜落して破損という悲劇を防いでくれます。

注意したいのが障害物検知機能の範囲です。前方のみ、上下左右まで等、検知できる範囲が機種によって異なるので、十分に確認して選びましょう。
 

自動ホバリングができる「GPS機能」

ホバリングとは、ヘリコプターでもよく見かける空中で停止した飛行状態のこと。GPS機能を搭載したドローンであれば、初心者でも簡単にホバリングができます。

ただし、GPS電波が届きにくい山間部やビルの合間などはロストする危険もあるので要注意です。

また、GPSで場所を指定し、自動飛行させるという使い方もあり。データ収集や農薬散布、測量等で活躍中です。
 

操縦が困難になっても安心な「自動帰還機能」

操作中にドローンを見失っても、ボタン一つでドローンが自動で戻ってくるのが自動帰還機能。撮影が終わった後も、自分で操縦しなくても指定したポイントに戻ってくる便利機能なので、初心者におすすめです。

バッテリー残量が少ない、電波状況が悪いなどの悪条件になると自動で戻ってくるモデルもあります。
 

操縦しやすくなる「ヘッドレスモード」

前後左右対称のデザインが多いドローンは、飛行中はどちらを向いているのか操縦者からは判別がつきませんヘッドレスモードは、機体がどこを向いていても、コントローラーのレバーを動かした方向に進むという機能です。

ヘッドレスモード搭載のモデルであれば、初心者はもちろん、ドローンの操縦に慣れた人であっても操縦がぐっと楽になります。
 

ドローン空撮に関する規制

ルール無用でドローンを自由に飛ばしていれば、飛行機や建物、人との接触による事故は避けられません。うっかり私有地や国防に関わる場所に侵入し、大きなトラブルに繋がることもあります。ドローンを安全に飛行させるために、様々な規制があると知っておきましょう。

ドローン空撮に関する規則

  • ドローンを飛ばす場所の規制
  • ドローンの飛行に関する規制航空法における規制をリストにして解説する
  • 操縦資格に関する規制
  • ドローンの機体に関する規制
  • その他の規則

ここからは、安全に空撮をするための規制を解説します。
 

ドローンを飛ばす場所の規制

ドローンはどこでも好きな場所で飛行させていいわけではありません。空の安全や第三者の権利を守るためにも、以下のような法律で細かく規制されています。

ドローン飛行に関する規制

  • 航空法
  • 小型無人機等飛行禁止法
  • 民法
  • 道路交通法
  • 都道府県・市町村の条例など

どの規制も、衝突事故を防ぎ、空や人の安全を守ることが目的です。特に、航空法・小型無人機等飛行禁止法の2つは、場所の規制に大きく関わっているため知っておきましょう。

ここからは、航空法と小型無人機等飛行禁止法による場所の規制について解説します。
 

航空法における規制

航空法とは、航空機が安全に空を飛行できるよう、障害を防止するためのものです。2022年前半までは航空法の規制対象は総重量200g以上のドローンでしたが、法改正によって、2022年6月以降は100g以上のドローンも航空法の規制対象となりました。

航空法第132条では、ドローン飛行のルールや飛行禁止エリア、飛行の許可申請が必要な場所等が定められています。
 

小型無人機等飛行禁止法における規制

小型無人機等飛行禁止法とは、指定された場所でのドローン等の小型無人機の飛行を原則禁止とするもの。国政の中枢機能や国際関係、防衛基盤、経済活動、公共の安全の維持を目的としており、国の重要施設やその周辺おおむね300mの上空を飛行してはいけません。

小型無人機等飛行禁止法の規制対象施設は大きく分けて5つです。

  • 国の重要施設
  • 外国公館等
  • 防衛関連施設
  • 空港
  • 原子力事業者
小型無人機等禁止法に基づき指定する施設
国の重要な施設等 国会議事堂、内閣総理大臣官邸、最高裁判所、皇居
危機管理行政機関の庁舎
対象政党事務所
対象外国公館等
対象防衛関係施設(令和元年改正で追加)
対象空港(令和2年改正で追加)
対象原子力事業所

 

特措法に基づき指定する施設
大会会場等(令和元年改正で追加)
空港(令和元年改正で追加)

引用元:警察庁:「小型無人機等飛行禁止法関係」
 

その他の規制

前述の航空法と小型無人機等飛行禁止法関係の他にも、民法、道路交通法、都道府県や市町村の条例などでも、ドローン飛行場所は規制されています。

民法では土地の所有権が上空にも及ぶことを根拠に、所有権を保護するために私有地上空のドローン飛行を規制しています。私有地上空のドローン飛行は、土地所有者・管理者への事前の通知が必要です。

民法上の私有地(例)

  • 空き地
  • 駐車場
  • 観光地
  • 路線・駅
  • 寺社仏閣
  • 山林

また、道路交通法76条もドローン飛行を規制しています。道路の安全維持が目的なので、ドローン飛行が交通に影響を及ぼす場合は、管轄の警察から許可をもらう必要があります。

道路交通法違反となるドローン行為(例)

  • ドローン離着陸のための安全スペースを道路上に設置する(交通を妨げる)
  • 地上から車両の通る4.1m以下の高さで道路上を飛行させる(交通障害の危険)
  • ドローンを飛行させるために道路上で準備する(短時間でも道路を占領する)

さらに、地域によっては、条例で特定の場所におけるドローン飛行を禁止しています。例として東京都の都市公園条例では、都立公園と庭園内が飛行禁止です。地方の小さな公園でも条例でドローン飛行を禁じている例があるため、自治体に確認してみましょう。
 

ドローンの飛行に関する規制

航空法では重量100gを超えるドローンが規制対象です。安全管理のための機体の登録・IDの記載は必須の他、航空法が規制する場所では、飛行のための許可申請が必要となります。

航空法で原則飛行禁止のエリア(飛行には許可申請が必要)

  • 空港等の周辺の上空の空域
  • 地表・水面から150m以上の高さの空域
  • 人口集中地区(DID地区)の上空

飛行禁止エリア

  • 緊急用無空域(自然災害発生時に捜索・消火活動等でヘリコプターが飛行するエリア)

飛行許可のいらないエリア

  • 上記以外のエリア(ただし、他の法律で規制があるエリアは要確認)

航空法で決められている飛行方法

  • 薬物・飲酒しながらの飛行は禁止
  • 日の出~日没までの間しか飛行できない
  • 飛行は目視できる範囲内で行う
  • 第三者に30m未満の距離まで接近する飛行は禁止
  • イベント会場の開催時間の上空での飛行は禁止
  • 危険物(火薬・毒物・凶器・引火性の液体等)の輸送の禁止
  • 飛行中の機体からの物体の投下、気体・液体の散布は禁止
  • 機体の安全点検や気象状態等十分な準備をして飛行させる
  • 人や物の安全、プライバシーを脅かす飛行は禁止

参考:国土交通省「無人航空機の飛行禁止空域と飛行の方法」
 

操縦資格に関する規制

ドローンの操縦は、資格や免許は不要です。国土交通省認可の民間資格は、ドローン操縦に関する技術や正しい知識を持つ証明となり、飛行申請やビジネス面で有利となります。

2022年12月の航空法改正によって、危険度・難易度の高いレベル4「有人地帯における目視外飛行」には国家資格が必要となりました。

また、無人航空機の飛行形態の分類として、リスクの低いものからカテゴリーⅠ・Ⅱ・Ⅲに分かれており、それぞれ申請手続きの手順が異なります。下記、国土交通省の「飛行カテゴリー決定のフロー図」を使い、特定飛行・立入管理措置の有無などで、実施するフライトがどのカテゴリーに属するのか確認してください。

出典:国土交通省「無人航空機の飛行許可・承認手続」

特定飛行 国土交通大臣の許可や承認が必要となる空域及び方法での飛行
立入管理措置 操縦者・補助者以外の第三者の立ち入りを制限

 

ドローンの機体に関する規制

航空法改正によって、2022年6月20日より、重量100g以上のドローンが航空法の規制対象となりました。事故を防ぎ安全を確保するためにも、100g以上であれば機体の登録が必須です。趣味用の小さなドローンであっても、登録なしではドローンを飛行させることができません。

機体に関する規制

  • 総重量100g以上の機体は国土交通省に登録が必須
  • ドローンの登録番号を機体に表記
  • 機体を識別するためのリモートID機能の搭載が必要
  • 未登録のドローンを飛行させた場合は、1年以下の懲役または50万円以下の罰金

総重量100g以上のドローンを購入した場合は、必ず国土交通省に登録を済ませましょう。登録はオンラインで行えます。
 

その他の規制

ドローンの飛行場所や機体登録以外にも、プライバシーや通信を守るための規制があります。

その他の規制

  • 電波法による規制
  • 撮影した画像・映像に関する規制

具体的にどのような規制なのかを知っておきましょう。
 

電波法による規制

 

※上記技適マーク
出典:総務省電波利用ホームページ

電波を使用してドローンを操縦したり、撮影データを転送したりする際には、電波法により無線局の免許が必要となる場合があります。

無線通信の妨害をしないための規制なので、規定の周波数(2.4GHzと5.7〜5.8GHz帯)であれば免許は不要です。通常販売されている汎用性ドローンのほとんどはこの範囲内となり、機体に技適マークが付いています。

電波法による規制を受けないドローン 2.4GHzで10mW以下の技適マークがあるもの
技適マーク 電波法令で定めている技術基準に適合した無線機であることを証明するもの

ドローンでは、主に2.4GHz(産業用)と5.7〜5.8GHz(レース用)、小電力データ通信システム(無線LAN)も一部使用可能です。この範囲を超えるドローンの場合は、無線局の免許が必要です。
 

撮影した画像・映像に関する規制

総務省では、ドローンで撮影し、撮影データをインターネットで扱うことに対するガイドラインを公表しています。

参考:「ドローンによる撮影映像等のインターネット上での取扱いに係るガイドライン」

法律による具体的な規制はありませんが、撮影データをインターネットにアップすることで、第三者の個人情報やプライバシー、肖像権を害する可能性もあります。条例や法律に違反するリスクが発生するので、ガイドラインを守ってドローン撮影を行いましょう。
 

都道府県や市区町村の条例による規制

都道府県や各自治体では、条例でドローン飛行を禁止している場所があります。対象は公共施設や都市公園が多く、観光や利用者の安全に配慮してのものです。

条例は自治体独自のもので、地方の田舎であっても、大きな道路や小学校近くの公園が禁止エリアに指定されていることもあります。

撮影場所付近に「ドローン飛行禁止」の表示がないかを確認し、必要であれば自治体窓口に問い合わせと許可申請をしておきましょう。
 

ドローン空撮を成功させるテクニック

ドローン飛行を安全に行うための規制も大切ですが、操縦のポイントも知っておきたいもの。ドローン撮影は、以下のポイントを知っておくと、構成しやすくなります。

ドローン映像制作の成功のポイント

  • 基本的な操縦方法を覚えておく
  • 飛行速度を一定に保つ
  • ジンバルを設定する
  • 全体の構図バランスを意識する
  • ドローン専門業者を頼る

ここからは、上記のドローン撮影のテクニックについて解説します。これから撮影に挑む方は参考にしてください。
 

基本的な操縦テクニックを身につける

ドローン空撮を成功させるためには、まずは基本の操縦テクニックを知っておくべき。基本を組み合わせるだけでも、かなり印象的な映像が作成可能です。

操縦テクニック 内容
前進・後退 基本中の基本ですが、風の流れに影響されないように練習が必要。前進は被写体にズームしていく演出に、後退によって景色が広がる演出になります。
横移動 被写体(建物・自然)に沿って横移動する動き。障害物との衝突には要注意です。
俯瞰+前進 鳥のように上空から見下ろした構図での前進です。道路や海などの風景の撮影に使うと効果的です。
俯瞰+上昇 地上から遠ざかる演出で、ドローン撮影でも人気です。
上昇・下降 基本的に動きの一つ。上昇で高い木や切り立った崖、建物が撮影できます。
固定(フィックス) ホバリングでドローンを静止し、固定した位置から撮影します。
斜め移動 前進後退・横移動ができるようになったら、組み合わせて斜め方向へ。被写体のスケールを感じさせる演出になります。
パン(パンニング) 映画やミュージックビデオでもおなじみの演出。カメラを固定して水平・垂直方向にぐるりと移動させる撮影技法です。
円移動(サークルショット) 被写体を軸に、その周囲をぐるりと円を描くように移動して撮影します。被写体が強調され、迫力を感じさせる演出です。
下降(チルト) ドローンを下降させる動きに合わせて、下から上へとカメラアングルを変えます。かつては大型クレーンがなければできなかった演出です。

上空から崖や建物に近づきながら、次第にカメラを正面に合わせるというテクニックです。

対象物通過 ビルの谷間、木の間などを縫うように通過します。スピードを上げて撮影すればスリル満点の迫力映像に。ただし、障害物への衝突のリスクも大きいため、テクニックが必要です。
低空飛行 地上や水面すれすれのラインを飛行するアクロバティックな演出です。迫力ある演出になりますが、地面や植物、水面との接触に要注意。

 

飛行速度を一定にする

操縦に慣れていない初心者は、コントローラーのスティックを無駄に動かしてしまい、撮影にブレが生じます。ぐっと我慢してスティックを動かさず、固定した状態を維持しましょう。

ドローン操縦を何度も繰り返して機体の特性を知ることで、スティックを動かす際の力加減も理解できるようになります。
 

ジンバルの設定をする

ジンバルとは、カメラの手ブレ補正に使われるパーツで、ドローンに限らず通常の撮影でも活躍します。ドローン飛行中に旋回や移動で角度が変わっても、水平を保ち、ブレを防ぐ機能を持つ部品です。

ジンバルなしでドローンにカメラが固定されている状態で撮影した場合、ドローンの動きに合わせて揺れてしまいます。ジンバルで揺れやブレを抑えることができれば、よりスムーズに動きの撮影が可能です。
 

全体の構図を考える

通常のカメラ撮影と同様に、構図は重要です。撮影初心者は「三分割法」を意識するだけでもバランスが良くなります。モデルによっては、ディスプレイに三分割法のグリッド線が表示されるものもあり、撮影のセンスに自信がない人も安心です。

三分割法 画面の縦横を3等分する罫線を引き、縦横の線が交わる4つの点のいずれかに被写体を配置する構図のこと。三分割法を意識して撮った写真は、バランスがよく見えます。

また、動画では同じようなシーンが連続すると見る側を飽きさせてしまいます。前述の操縦テクニックのいくつかを組み合わせて編集すると、視聴者を飽きさせない躍動感に溢れた動画に仕上がります。
 

動きのテンプレートを作る

ドローン初心者が、パンや円移動などの高度なテクニックを入れようとすると失敗の原因になりがち。あらかじめ、自分ができる定番の動きを決め、テンプレート化させておきましょう。

操縦のテンプレート(例)

  1. 離陸時は斜めに上昇する
  2. 上昇したら右回転する
  3. その後真横に移動する

操縦の流れをテンプレート化しておけば、慌てることなく撮影できます。自分の技量の範囲内で「この動きの時にこの撮影を」と計画しやすく、初心者にもおすすめです。
 

ドローン空撮の業者に依頼する

資格不要で誰でもできるドローン撮影ですが、機材を揃えたり、規制に合わせて許可申請が必要だったりと、準備も煩雑です。なんとか準備を終わらせても、自分の操縦テクニックでは撮りたい映像にならないこともあります。

「飛行申請も空撮も自分では難しい」と感じる方には、プロのドローン業者に依頼がおすすめです。空撮のプロフェッショナルである「ドローン東京」は、広告や販促用ドローン撮影、YouTubeなどの映像制作などに多数の実績を持っています。

ドローン東京は全国500ヶ所以上の様々な場所・シーンの撮影を経験しており、申請~撮影・納品までワンストップで対応。ドローン操作歴30年、ドローン国家資格取得済みのベテランが、イメージ以上の高品質空撮映像を提供します。
 

まとめ

ドローン空撮は、ドローンを購入したらすぐに撮影できるわけではなく、機材の準備や規制に合わせた許可申請も必要です。

撮影場所によって様々な法律による規制がありますが、全ては安全にドローンを飛行し、ドローンによる事故や権利の侵害を防ぐため。違反の先には罰金や懲役刑もあるので、ルールを守って安全にドローン飛行を行ってください。

「ドローンの購入や申請手続きが面倒」「操縦に自信がない」という場合は、ドローン業者に空撮を依頼しましょう。

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