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「ドローン撮影×フォトグラメトリ」による3DCGのプロトタイプが完成

写真から立体を再現するフォトグラメトリ。フォトグラメトリの技術とドローンによる空撮を掛け合わせた、3DCGのプロトタイプが完成しました。

従来は、PCの種類によっては専用ソフトが必要だったり、スマートフォンでは操作できなかったりと、閲覧に制限がありました。

しかし、今回のプロトタイプではパソコンのブラウザやスマートフォンからでも手軽にアクセス可能です。さらに、3DCG内にコメントやYouTube動画などを埋め込むこともでき、活用の幅が大きく広がりました。

本記事では、フォトグラメトリを活用した「誰でも体験できる3DCG」の技術や、これからの課題・活用の可能性についても解説しています。

実際の廃校を空撮した、操作可能なデモURLも掲載しています。空から切り取った空間がどのように立体化されるのか、ぜひご自身の手で、3DCGの世界を体験してみてください。

 

フォトグラメトリとは?写真から立体を生み出す技術

 

フォトグラメトリとは、複数の写真から建物や空間の立体的な形を再現する技術です。語源はギリシャ語で、「photo」は光、「gramma」は描く・記録する、「metron」は測る・測定法を意味し、測量した情報を元にした技術だということがわかります。

さまざまな角度から撮影した写真をもとに、特徴的な部分を見つけて点群データというものを作成し、現実の建物や空間を仮想的に再現します。

ドローンを活用する場合、通常の空撮写真でも、フォトグラメトリの技術を用いた3DCGの作成が可能です。しかし、より精密な3DCGを作成するためには、緯度や経度といった位置情報、どのような角度から撮影したかという正確な測量の情報が必要になります。そのため、測量が可能なドローンを使用して空撮を行います。

フォトグラメトリは、単なる「立体化の技術」ではなく、社会インフラから文化・エンタメまで幅広く応用が期待されている注目の技術です。

 

ドローンで撮影した画像・映像が「誰でも体験できる3DCG」に

これまで、フォトグラメトリで生成された3DCGを一般公開するには、専用のビューワーやソフトウェアが必要で、操作にもある程度の知識が求められるのが現実でした。

また、Web上で公開する場合も、HTMLやJavaScriptなどのコーディングスキルが必要となり、技術者でなければ扱いが難しい場面も多く、3DCGを「誰でも見られる形」で発信することは容易ではありませんでした。

今回のプロトタイプでは、こうした技術的な壁を大きく乗り越える進化を実現しています。AIツールやオープンソースの仕組みを活用することで、GitHubやプログラミングの専門知識がなくても、3DCGをWebブラウザ上で公開・共有できる形式に落とし込むことが可能になりました。

PCやスマートフォンからでも手軽にアクセスでき、画面上で自由にモデルを操作したり、気になる場所にカーソルをあてて説明を表示したり、動画リンクに遷移したりと、体験の自由度も高くなっています。

これにより、これまで限られた人しか扱えなかった3DCGが、より身近な情報共有の手段として広がる可能性を持ち始めています。

 

廃校を丸ごと3DCG化!“空撮×立体”の世界を体感してください

今回のプロジェクトでは、廃校をドローンで空撮し、その全体像をフォトグラメトリでまるごと3DCG化しました。完成したモデルは、以下のデモURLから実際に操作できます。

 

【軽トラックの3DCG】次のURLから実際に動かしていただけます。

https://tadappi.github.io/3d-view-test4/

軽トラックの3DCG

 

【廃校の3DCG】次のURLから実際に動かしていただけます。

https://tadappi.github.io/gakkotest2/

廃校の3DCG

廃校の3DCG

 

PCやスマートフォンを使って自由に視点を動かせるほか、気になる場所にカーソルをあてると説明が表示され、リンクからYouTube動画に飛ぶことも可能です。

youtubeにリンクできる様子

「見る」だけじゃない「触れて動かせる」体験。まるで自分がその場所に入り込んだかのように、全体を俯瞰してみたり、近づいて気になる箇所をじっくり観察したりできます。まさに“空撮データの中を歩き回る”ような感覚を、ぜひ楽しんでみてください。

 

ドローン×3DCG化に立ちはだかる課題

プロトタイプの完成に至るまでには、モデルの精度調整やデータ再構成にかかる作業時間など、いくつもの技術的な壁がありました。

現時点でも、細かな表現の揺らぎや、撮影から3DCGの公開までに一定の時間を要する点など、まだ改良の余地があると感じています。

とはいえ、空撮から3DCGデータの生成、そして一般公開までを一貫して進められるこの仕組みには、実用化に向けた大きな手応えを感じています。

今後も調整やアップデートを重ねながら、よりスムーズで高精度なワークフローを目指して取り組んでいく予定です。

 

空撮データを活かす──観光や教育・災害対応にも応用可能?

3DCGで作成された街

立体化された空撮データは、観光地のバーチャルガイド、廃墟や歴史的建造物の保存、災害現場の状況把握、学校・施設紹介など多岐にわたる分野での活用が期待されています。

特に、遠隔地でも現地の雰囲気をリアルに体感できることは、現地に足を運べないユーザーにとって大きなメリットです。

まだ活用事例が少ないものの「どう活かせるか?」という視点でのアイデアを広く募っています。企業や自治体との連携による実証も、今後進めていきたいと考えています。

 

まとめ

ドローンによる空撮とフォトグラメトリの融合は「誰でも見られる・触れられる3DCG」の実現に向けた大きな一歩です。

今回完成したプロトタイプは、専門的な知識がなくてもアクセス・操作が可能で、立体空間の楽しさや情報の伝え方に新たな可能性を感じさせてくれます。

今後は、より高精度・高速な処理や、多彩なコンテンツとの連携も視野に入れながら、教育・観光・防災など多様な分野での活用を目指して、アップデートを続けていきます。

空撮データがもっと自由に使えたら、どんな世界が広がるのか──そんな未来を一緒に想像しながら、これからも挑戦を重ねていきます。

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